こんにちは、あおパパです。
今回紹介する書籍は、「NFTの教科書」です。
NFTとは非代替性トークン(Non-Fungible Token)の略で、デジタルデータをブロックチェーンを利用して唯一性を持たせることができる技術です。
ちなみに、FT(Fungible Token)は代替可能トークン。仮想通貨のように交換しても同じ価値で問題なく使用可能なトークン(ブロックチェーン上の資産)のことを言います。
NFTに関しては、アート作品が高額で取引されるイメージがあるかと思います。
最も高値で取引されたものは、「EveryDays – The First 5000 Days」という作品で、約75億円です。
でも、NFTは投機的なもの以上に、今後のデジタル社会に大きな影響をもたらすものなのです。
本のあらすじ
本著は、日本暗号資産ビジネス協会NFT部会長の天羽健介さんを中心に、アートやメタバース。ゲームや音楽など様々な分野でNFTがどのように活用され、活用していくかについて語られています。
また、法的な観点でNFTをどう解釈するか。会計上どのような扱いになるか。という点についても、NFTやfintech(金融+IT)の専門知識を持つ弁護士や会計士の方々が中心となって現状を整理しています。
特に海外で実際にサービス展開している著名な方々も含まれているので、日本だけでなく世界の状況も分かるのがいいですね。
NFTとは何か。NFTが現状どうなっているか。NFTでどのようなビジネスがあるのか。法的な扱いはどうなのか。
NFTを知るには十分すぎる内容です。「NFTの教科書」というタイトルに偽りはありませんね。
● NFTに興味がある人
● NFTによってどんなビジネスがあるのか知りたい人
● NFTの法的扱いについて理解を深めたい人
影響を受けた内容
この本を読んで特に影響を受けた内容を3つご紹介します。
NFTゲームで稼ごう
NFTゲームとは、キャラクターやアイテムなどをNFT化することで、データ自体に希少性、価値を持たせているゲームです。
NFT化されたキャラクターやアイテムは取引が可能で、「CryptoKitties」というゲームでは、レアキャラクターが1300万円で取引されたケースもあります。
また、NFTゲームでは「play – to – earn」(遊んで稼ぐ)というゲーム方式が主流となっています。
基本的な流れとしては、NFTアイテムを購入し、そのアイテムを使用することで運営からゲーム内通貨(仮想通貨として流通しているもの)が配布されます。
仮想通貨は当然換金が可能ですので、「ゲームをして稼ぐ」ことが可能となります。(ただし、NFTを購入する初期投資は必要です。)
所得の低いフィリピンでは、「axie infinity」というNFTゲームによって生計を立てる人もいるほどです。
ここまで来ると怪しさ満点ですが、運営側にもメリットの多い仕組みです。
初期投資が必要という点から新規参入者が増えればそれだけ資金が集まりますし、投機目的の人も来ます。
人気が出れば仮想通貨の価値が上がることも予想されますし、「play – to – earn」である。というだけでも、十分な宣伝効果です。
運営だけでなく、プレイヤー自身もゲームを盛り上げればその分利益になる。ここが新しい考えですね。
面倒なのは、仮想通貨を取引するまでにいくつも取引所を経由する必要があるということでしょうか^^;
ちなみに私は「タイタンハンターズ」というゲームをプレイしています。ゲームとして十分に面白いのでおすすめです♪
音楽業界とNFT
アートやスポーツなど、様々な分野でのNFT活用事例が紹介されていますが、個人的には音楽の分野に関する事例に期待しています。
コロナ禍でサブスクリプションサービスが急成長しています。ライブやフェスなどが控えられている中と考えると当然かもしれません。
ただ、spotifyを例に出すと、1再生あたり0.003~0.005ドル程度。100万再生でも3000~5000ドル程度だそうです。なかなか厳しい数字ですよね。
そこでNFTです。NFTは、高い収益性と多角的な商品展開が可能です。その中でも特に期待する内容を2つ紹介します。
二次流通のロイヤリティー
NFTはブロックチェーン上で取引されますが、NFTのルールとして転売などの二次流通に対してロイヤリティーを指定することが可能です。
これにより、販売したNFTが取引される度に発行者(制作業者やアーティスト)に対して収益が発生するというわけです。
現状、一度流通してしまえばそこから収益を得ることは難しい世の中です。その点、二次流通以降でもしっかりとアーティストに還元されるのは大きなメリットですね。
限定商品の販売、オークション
デモ楽曲や楽譜、リハーサル映像など商品化が難しかったものを単独で販売することも可能になります。
また、販売方法や商品、販売期間など自由に設定できるのも強みです。あくまでデータなので、現物が不要というのもいいですね。
オークションは世界的に行われていて、日本ではヘビーメタルバンドの「LOUDNESS」が通常の音楽販売に先駆けてNFTによる先行販売(日本初)を行い、オークション商品は31万円で落札されたそうです。
販売については、NFTによって様々な可能性が生まれそうですね。
これからの「推し」の形
NFTとクリエイターエコノミー(個人の活動によって生まれる経済圏)に関して、「フィナンシェ」という会社の取り組みが最後に紹介されています。
新しい形のクラウドファンディングを展開しており、独自のトークン(NFTやポイント)を発行することによって個人や団体の活動を応援することができます。
最大のメリットは、今までファンはお金を投入して終わりだった状態から、自分が応援することで人気がでれば、持っているトークンが値上がりするという点です。
「無償でいいんだ!!応援する気持ちが伝わらなくてもいいんだ!!!」って声も聞こえてきそうですが、そうではない人もたくさんいますよね。
この取り組みは、「推し」を作る敷居を低くしてくれると思います。
ファンではあるんだけど、実際にお金を使うとなると抵抗感がある。という人がトークンを買うことで一歩を踏み出し「推し」になる。
この流れができると、さらに個人の活動が加速していくことでしょう。
心に残った一文
最後に本著を読んで一番心に残った一文を紹介します。
大事なのはNFTは資産管理の仕組みであるということです。NFT自体が価値を持つと錯覚する人々が増殖しすぎると、NFTビジネスは短命に終わるかもしれません。
これはNFTに関する人々が皆さん危惧しているのではないかと思います。
今は投機的な側面が報道されることが多く、仮想通貨のようなものでしょ?と考える人も多いでしょう。
でもそんなことはありません。社会インフラの一部として発展を見込める重要な技術です。
この一文だけでも、皆さんに覚えておいていただきたいですね。
最後に
今回は、「NFTの教科書」を紹介しました。
ボリューム多く、特に法律部分は言葉が難しくて読み切るのに時間がかかりました。
でもNFTというものが今どのように使われているか。課題は何か。そして、今後どう発展していくか。
最前線を行く先駆者の方々の生の言葉を知れる本でした。
NFTに興味がある人は、まずこの本から読んでみるといいですよ。
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